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〈第1章〉速聴®で全脳が活性化される

1. あなたの脳は知らず知らずのうちにこんなに鈍くなっている

カナリヤは本当に「歌」を忘れる

「歌を忘れたカナリヤ」という歌があるが、カナリヤは実際に歌を忘れる鳥なのである。春になると雄のカナリヤの脳の「歌う中枢」は、約二倍大きくなる。つまり、その中枢の脳神経細胞だけは増殖するのだ。そうしてこの増殖した中枢を用いて、雌を自分のところへ引きつけるために歌を覚える。
そしてみごと夫婦関係が成立すると、この「歌う中枢」は、半分(つまり元に戻る)となり、あとは死滅してしまうのだ。こうして次の春が来るまでカナリヤは実際に歌を忘れてしまうのである。正確には歌を失ってしまうということだ。


したがって次の春は、再び「歌う中枢」を二倍に増やして、また別の歌(鳴き声)を新たに学ぶことになる。つまり、毎年結婚するというわけで、かなりやり手の鳥である。
これは、パソコンを例にとると、パソコンの記憶容量がいっぱいになったにもかかわらず、どうしても任天堂のゲーム・プログラムを加えたい、という場合に似ている。
この場合、パソコンのCD-ROMドライブに任天堂のCD-ROMを差し込んでやればよい。そうすると、スーパーマリオのゲームが楽しめる。ゲームに飽きたら、そのCD-ROMをスロットから抜けば、このパソコンから、スーパーマリオは忘れられる。つまり、失われることになるわけだ。


人間もカナリヤのように、必要に応じて「速聴カード」「快楽カード」、ウトウトしないための「覚醒カード」、「瞑想カード」「記憶カード」「アインシュタインの一般相対性理論が理解できるカード」等々を脳にセットできたらどうだろう。


中年になると太りがちになるのは、大脳の中の黒質(毛髪を黒くさせているメラニンで構成されている)の働きが弱まるためだ。
黒質は肥満を抑制させる働きがある。これが減衰してメラニンが少なくなると、ポップコーンのようにお腹が出てくる(腹筋が弱まるためでもあるが)。同時に髪の毛からもメラニンが抜け出して、白くなるというわけだ。
黒質の発達している人は、何歳になっても、人の二倍食べようが、決して太らない。私の会社の女性課長にも、このようなうらやましいかぎりの人がいる。


このような遺伝的な幸運を持つ人はさておき、それ以外の人々は、「ダイエット・カード」さえあれば苦労はないのだが、残念なことに、私たちはカナリヤではない。
ところで、この項で述べた「カード」は、むろん今のところ夢物語にすぎないが、このように個別のカードこそ用いないものの、トータルな脳力アップを可能にするのが、「速聴」なのである。


この項は話がやや脱線したが、脳細胞同士がどんどんネットワークをつくっていきさえすれば、何の心配もいらない、というわけだ。白髪にも、黒髪に復帰し得る潜在的な力があるのだ。


東北大学理学部の竹内拓司教授らは、メラニン色素をつくる酵素(体内で行われるほとんどすべての化学反応の触媒となるタンパク質。ここではチロシナーゼがそれに当たる)と、その酵素の設計図である伝令リボ核酸が白髪の根元にあることを確認している。
確かに、白髪の根元では毛を黒くする役目を持つメラニン色素形成細胞は減失してはいるが、チロシナーゼの設計図とチロシナーゼそのものはなお、白髪の根元にある。ということは、それを活性化できれば、再び黒髪にし得る潜在的な力を白髪は持っているというわけだ。
ここまでは、いわゆる自己啓発に関する内容である。なお、以降はこの注釈は省く。