〈第1章〉速聴®で全脳が活性化される
2. 速聴®は一度しかない人生を何倍にも楽しむ不可欠な技法
脳力をバランスよく伸ばすSLBS®
「『速聴』は、IT社会の超一級ツール(道具)である」
私は、常日ごろからこう考えているが、その理由は、「速聴」が情報を収集・選択・処理・加工するための大脳を、バランスよく機能させる働きをしてくれるからにほかならない。
人間の脳は、大きく分けて “左脳” と “右脳” の二つから成り立っている。そしてこの左と右の脳の役割には相い補う相補的な関係とともに、ある程度はっきりした分業体制が成立している。
まず左脳だが、ここには言語中枢があり、言語的、論理的、分析的な思考を司っている。もし、あなたが推理小説のファンであったとしたら、あなたは名探偵の前に提出される材料を彼といっしょに吟味・検討し、犯人を推理していくはずだ。そのとき、あなたの左脳は、そうした情報をもとにフル回転する。
一方、右脳は直観的、総合的、絵画的な思考を司る。たとえば、ベートーベンの交響曲『田園』を聴くと、第一楽章が始まったときから、いかにも牧歌的な風景が頭に浮かんでくる。右脳は別名 “音楽脳” ともいわれるぐらいだから、『田園』のつくり出す音の刺激によって、そうしたイメージが生まれてくるわけである。
私は、ロマン派音楽の先駆的作品である、ウェーバーの歌劇『魔弾の射手』序曲が好きだ。その序曲のうちでも最初の一分ほどの部分が特によい。この最初の一分の旋律を聴くと、まず、時は小学生時代、頭いっぱいに晩秋の枯葉の香り、そして澄んだ紺碧の空、次にザクロのまっ赤な実、と次々に晩秋の小高い山のどこかのイメージがわいてくる。この序曲の旋律のインパクトは、私に限っていえば非常に強いものがある。
そうこうしているうちに気分はゆったりとして、くつろいでくる。まさにアルファ支配(おだやかな気分のときに出るアルファ波が継続して出ている状態のこと。詳細は拙著『願望がみるみる実現する クイック自己改造』。きこ書房刊)だ。しかし、一分間しかその私の好きな旋律はない。
そこで私の場合は、一分たつとまた最初から自動的に繰り返すリピート機能を使って、約一時間、つまり一回最低六〇回は聴く(というか、溶け込む)。この程度までいくと、もう覚醒シータ支配(睡眠時に出るシータ波が、覚醒時に継続して出ている状態。瞑想時によく出る)の領域だ。
むろん、これを速聴機で聴くなどとんでもない。旋律が崩壊してしまう。それに音楽は右脳の支配下にある。そこには言語中枢はないからである(原則には必ず例外がある。右脳に言語中枢がある人もいる。が、それは特異な例である)。
また、小説を「速聴」するのはどうですか、という質問をいただくが、これは音楽を「速聴」するのと同様、邪道であるうえに長続きはしない。
ではなぜ当社の「速聴」では、多くの脳力が開発されるといい得るのであろうか。
それはソフトウエアがシステマティックに組み込まれているからである。
積極思考、アファーメーション、中国古典の説く戦略・戦術等々を聴きながら、目標設定をしつつ、それを行動に移す。その過程で「速聴」も行う。
この独自の仕組みによって、多くの脳力がシナジー的に(つまり相乗効果的に)引き出されるわけである。
話を元に戻そう。左脳と右脳の機能は、このようにある程度はっきりと色分けされているわけだが、頭を常にフレッシュに回転させるためには、この二つの脳をバランスよく働かせなければならないことはいうまでもない。端的にいうなら、人間の脳力は、左右二つの脳= “全脳” がフルに活動することで、初めて大いなる飛躍を果たすことができるのである。
すでに述べたように、「速聴」は「速く聴く」ことを意味する。しかしそれは、単に「言葉を速く聴き取る」という表面的な現象のみを指すわけではない。さらに深く、その言葉の表す意味、内容、影響、話し手の心理状態まで正確に理解し判断する脳力を培うことが目的なのである。
文章でも同様だ。行間を「速聴」しながら読むのである。これは意外と簡単だ。一時間の講演を一五分で聴き取ると、なぜか本当に言わんとしていることがわかるように、文章も「速聴」による速読効果で、行間が読みやすくなる。
以上のことを行うためには、言葉の内容に関するイメージをはっきりとわかせつつ思考することが不可欠になるわけだ。
先の鈴木さんのケースでも触れたように、当社では、「速聴」をさらに二段にも三段にもレベル・アップした “スーパーリスニング・プログラム(SLBS)” を長年にわたって研究している。そして、いくつかの効果的なシステムを開発するに至った。その中には、“シネマティクス・コントロール” という、いわばイメージ力喚起を強化するためのソフトが組み込まれているものもある。
このことでもわかるように、私は、「『速聴』は、左脳の論理思考だけでなく、右脳のイメージ思考をも昂進させる効果があるため、より有効に機能する」と考えているわけである。
すでに大脳生理学の分野から、現代人の大脳は論理思考過多のため、イメージ脳力が低下しつつあるという研究結果が発表されている。要するに、私たちの脳力には、偏りがあるということなのだ。
私は、そうした現状を何とか打破し、人間の脳力をバランスよく伸ばしていきたいと願っている。そして、スーパーリスニング・プログラムは脳力に的を絞ってそれを実現するための、効果的な方法であると確信している。



