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〈第4章〉速聴®があなたの中に眠る脳力を開拓する

1.速聴®は情報氾濫時代のスーパー全脳活性法である

苦痛を伴う“暗記” では、覚えたことはすぐに忘れてしまう

「記憶と暗記とは違う。暗記は一夜漬けで苦しくて効果がない。記憶は楽しみながらやれて生活や人生のためになる」
これは、NHKの鈴木健二元アナウンサーの言葉である。鈴木アナ(鈴木元アナでは読みにくいので、以降、鈴木アナとする)といえば、博覧強記の人であり、また、台本をまったく持たずに番組をみごとに進行させる、素晴らしい記憶力の持ち主でもある。


実際、1980年代の人気番組だった『クイズ面白ゼミナール』を観ていても、あれだけの人名・地名・数字などをいったいどうやって覚えるのかと、ただただ驚くばかりだという人も多いことだったろう。もっともその個性の強さに反発する人々もいる。日本では出る杭はほとんど必ず、何らかの形で打たれるのだ。
私は常に出る杭のスタンスで生きてきたので、日本という国は本当によく人の足を引っ張る国だなと、つくづく思っている。その割に足は短いままだ。割に合わない、とはこのことをいう。
アメリカは、出た杭はそのまま見守るか、助力してくれる体質を持った国である。だがその反面、どの国に対してもいえることだが、長所も短所もある。
そのような社会でうまく生きていくことにも、「速聴」は大きな力を必ず貸してくれるだろう。
しかし、一見すると普通人にはとても不可能と思える鈴木アナの驚異的な記憶力を、あなたも身につけることができるとしたらどうだろうか? 仕事や知識の吸収に、その脳力は大いに威力を発揮してくれるはずだ。


「では、いったい、どうやったら、あれだけの記憶力を自分のものにできるのだろう。きっと、鈴木アナも血のにじむような努力を重ねたに違いない。自分には、それと同じ真似などとてもできそうにない」
おそらく、ほとんどの人は最初からこう考えて、行動を起こす以前にサジを投げてしまうのではないかと思う。だが、それはとんだ思い違いである。あなたの大脳の持つ力は、鈴木アナとまったく同じなのだ。脳力に差がないのであれば、あとはやり方次第ということになる。


もう一度、冒頭に紹介した、鈴木アナの言葉をよく読んでいただきたい。この言葉の中には、記憶力を効果的に高めるための基本的な考え方がすべて含まれている。
まず、基本の第一は、「記憶と暗記とは違う」ということだ。


あなたがビジネスパースンであるなら、中学や高校時代のことを思い出してみてほしい。英語の単語や構文、数学の公式などを繰り返し読んだり紙に書いたりして丸暗記した経験があるはずだ。あなたは、大変な苦労をしただろう。
ところが、そんなにつらい思いをして暗記したにもかかわらず、それから10年、20年たった今では、それが頭の中のどこかに埋もれてしまって、すっかり忘れてしまっている人がほとんどなのではないだろうか?


かくのごとく、暗記とは頼りないものなのだ。いったい、それはなぜなのだろう。
どんなことでもそうなのだが、一般に、苦痛を伴う努力をいくらしてみても、その効果は期待したほど上がらないものである。ビジネスでいうなら、投下した資金に比べて、利潤が少ないのと同じことなのだ。いや、“赤字” になってしまうといってもよいだろう。こんなバカな取引はない。
暗記とは、これほど割に合わない記憶法なのである。一方、記憶はまったく逆になる。