〈第4章〉速聴®があなたの中に眠る脳力を開拓する
3. “一を聴いて十を知る” 脳力を導く速聴®の威力
速聴®で判断力・理解力を開発するポイント
「速聴」の体験者が、「速聴」を身につけると、「同時に何人かの話を聴いても、頭が混乱せず、それぞれの話の主旨がはっきりわかるようになる」という人がたくさんいる。まるで聖徳太子のようだが、これが実際に可能になるところに、「速聴」の大きな特長がある。
もっとも、「たくさんいる」と書いたが、レベルは多様だ。しかし年齢はあまり関係ない。加齢により、洞察力が高まることがこれにプラスするためかもしれない。
ところで、複数の人の話が理解できるという人々は、「一を聴いて十を知る」脳力を実際に持っていることがテストの結果、明らかになった。
一般的な表現を用いるなら、高度の「判断力」と「理解力」の持ち主ということになるだろう。
「速聴」の汎化作用によって、「同時に何人かの話を聴いても頭が混乱せず、それぞれの話の主旨がはっきりわかる」判断力と理解力の脳力が向上する。
ただし、この場合、何人かの話を“積極的に”注意集中してしまうと失敗する。というのは、積極的注意集中とは、ある一つのことに焦点を絞ることだからだ。ところが、たとえば10人が同時に話している音声をこのようにして聴いてしまうと、結局、一人の話しか聴き取れない。
ではどうしたらよいか、というと“受動的注意集中”を行うのである。この言葉が完全に矛盾していることは、すぐおわかりになるであろう。
注意集中というからには、本来 “積極的” でなければならないからだ。ところがこの受動的注意集中というのは、学術用語にもなっているほどの言葉なのである。自己催眠の一種に自律訓練法というものがあり、大学病院等でもよく活用されているが、受動的注意集中という用語は、この訓練法を解説するときに用いられる。
ページの関係で詳しくは書けない(拙著『自分を思いどおりに動かす決定的条件』には詳述しておいた)が、要は「さりげなく、ぼんやりと対象に注意を向ける」という意味である。
たとえば、仕事上の難問が、あなたの前に同時に発生したとしよう。これは、同時に何人かの話を聴かされるのと生理的には類似している。その難問は、どれも解決を急がなければならないものばかりである。
おそらくあなたは、いったいどれから手をつけたらよいのかと、すっかり頭を抱え込んでしまうはずだ。
また、たとえ頭を抱え込まないにしても、心の中は焦りでいっぱいになり、気ばかりせいて、解決のためのプランがさっぱりわいてこないということにもなりかねない。
このように、仕事上で難問を同時にいくつか抱えた場合、ほとんどの人の脳は混乱を来してしまうのが普通である。ひどいケースになると、思考力がまったく停滞してしまうことすらある。これは脳の10パーセントは自分自身を破壊から救うための防禦手段を講じているのだが、残りの90パーセントは脳力を引き出すノウハウに疎いためでもある。
こうした脳の混乱や思考の停滞は、「問題を早く解決しなければ大変なことになる」という、あなたの感情が原因でもある。こうした感情にとらわれた場合、あなたの脳は、不安や興奮状態にあるとき発生するガンマ波や、緊張状態にあるとき発生するベータ波でいっぱいになっているのだ。
また、 “不安と恐怖のホルモン” とされるアドレナリンや、 “怒りのホルモン” であるノルアドレナリンも脳に充満している。
以上でおわかりのように、これではあなたの脳も、問題解決のための妙案を考え出すことなど、まったく不可能といってよい。
では、いったい、どうしたらよいのだろうか? その答えはもうおわかりのはずだ。脳をガンマ波やベータ波の支配から解放してやり、アルファ波や覚醒シータ波で満たしてやればよい。これは深くリラックスすることで可能となる。たったこれだけのことで、あなたの脳は、円滑に活動を始めるのである。
この場合、脳の活動が円滑になるということは、判断力と理解力が促進されることを意味している。そして、こうしたことを実現するための一つの方法が「速聴」なのだ。
あなたは、この「速聴」の力で、「一を聴いて十を知る」脳力を向上させ、同時に発生した難問を、(少しオーバーな表現ではあるが)あたかも聖徳太子のごとくに素早く解決できるようになるだろう。
「速聴」であなたの判断力・理解力を開発するために見逃せないポイントはこれだ
1・・・「速聴」を身につけると、解決を迫られた難問を大量に抱えても、正確に判断・理解する脳力が発揮できるようになる。
2・・・問題に対する判断力・理解力を鈍くする元凶は、脳がガンマ波、ベータ波でいっぱいになっていることだ。
3・・・たくさんの人間の話に真剣に耳を傾けるようにすると、判断力・理解力はおのずと向上する。
4・・・判断力・理解力は、「速聴」によって短時間で飛躍的に向上する。



