最高の戦略家(後編)
2005年10月13日 [速聴プログラム]
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■決戦の前夜
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(前回までのストーリー)
王位継承から6ヶ月目にして、ギリシャ全土を統治した青年アレキサンダー。
彼の視界に入る土地はすべて統治できるという神託を受けたことで、彼は「ギリシャ文化を全世界に浸透させたい」という目標をもちながら、自ら指揮をとり、戦線を圧勝して領土を広げていくのでした。その快進撃ぶりは、各諸国にとって脅威をふるう人物となり、格好の敵になる助長でもあったのです。
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▼権力に挑戦する者
この当時、世界最大の帝国として最強と言われた盟主は、ペルシャ帝国のダリウス国王でした。【現在のテヘランに首都を置き、東はパキスタンのインダス河から、西は地中海、南はアラビア海、北は現在のソ連に至る、東西南北と広大な地域を統治していたからです。】
そう間もなくして、ダリウス国王にはアレキサンダーの情報が耳に入ってきます。それは、「ペルシャ帝国の辺境地域に、ギリシャからやってきた、成り上がり者の一群が出没している」という報告でした。
しかも、その軍団を率いているのは、20歳そこそこの若者ということを知ります。これは脅威であると見抜いた聡明なダリウス国王は、攻め入られる前に奇襲攻撃をもくろんで、アレキサンダー軍団の2万人に対して、5万人のダリウス軍団を差し向けたのです。
しかし、ダリウス王国が厳命したその作戦は、すでにアレキサンダーに先読みされ、送り込んだ5万人のペルシャ軍をあっさりと撃破してしまったのです!
この報告を受けたダリウス国王は、「これは重大事だ!」と、わが帝国に対して権力争いの火種となりうる脅威な存在になることを恐れ、今のうちにトドメを刺さなければと思い、国中の部族、隣国の弱小国に至る多くの兵士をかき集めて、「我が最強の軍団よ、アルベラの地に集結せよ!」と命令を下し、アレキサンダーとの決戦に備えていくのでした。
▼戦いへの準備
この両者の最大の戦いが起こったのは、紀元前333年。
アレキサンダーが22歳のときで、このときの軍勢は5万人の兵。
一方ダリウス兵は、アルベラ郊外のガルゴメラという大平原に100万人の集結。
それは東西の地平線に渡って見渡すほどの巨大な大軍であり、それに加えて、何度も勝利を収めた戦車隊をも控えていました。ダリウスが平地を選んだのも、戦車を思い通りに動かせるためだったといいます。
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歴史上、これだけの大軍を1ヶ所に集結させたというのは、第二次世界大戦まで一度もなかったと伝えられ、それだけに、後世の歴史家は、この戦いについての軍事衝突が、人類の文明にとって西洋史の要となる戦いになるのでした。
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そのころアレキサンダーが小アジアの南に差しかかった頃、ガルゴメラに100万人を集結させたダリウスは、アレキサンダーに「ガルゴメラで決着をつけようぞ」と、決戦の幕を切るための使いを送ります。
その申し出を受けたアレキサンダーは即刻出陣の命令を下し、小アジアからガルゴメラまでの移動日程は7日後の予定でしたが、2日後(48時間)で到着したのです。
そしてその夜、決戦に向けての戦略会議が行われるのでした。
▼戦いの的
夜になり、アレキサンダーは明日の決戦のため、指揮官たちを自分のテントへと集めていました。彼は日頃から、「指揮官は戦術を心得ておく必要はない。しかし、実際に戦う兵士こそ、戦術を心得ておかなければならないのだ。」と各指揮官に申し渡して、実際に戦う兵士たちに伝えていましたが、戦場につくと圧倒的な兵力数の違いに兵士たちは不安を隠せずにいたのです。そして、ある指揮官がアレキサンダーに戦いの見込みについて尋ねます。
(不安な表情で)
■指揮官:「アレキサンダー王、明日の戦いをどのようにお考えなのですか?」
(意気揚々に)
■アレキサンダー:「勝利は我々のものだ。」
(しぶしぶ・・・怪訝そうな顔で)
■指揮官:「しかし、報告によりますと兵士の数は1対20と聞いています。王への信頼は少しも揺らぐものではありませんが、これでは戦力の差が大きすぎませんか?」
■アレキサンダー:「それはわかっておる。しかし、心配は無用じゃ」
■指揮官:「無用とのおおせなのですが・・・兵士たちが・・・・」
■アレキサンダー:「余には、策略がある」
(???)
■指揮官:「策略ですか?承知しました。私たちは王を信頼しております。
・・で・・・ですが、どういう計略なのかを教えて頂けませんでしょうか?」
■アレキサンダー
「わかった。それでは、話してつかわそう。
もちろん我が軍が、わずか5万の軍に対して100万の軍を相手に、打ち破るということは、しょせん叶わぬ夢だということはわかっている。
しかし、ダリウスの軍団は、真に1つの軍団とは言いがたい。
30いくつも、規律も統一もない、バラバラの軍団を寄せ集めただけの烏合の衆にすぎぬ。 ダリウスの軍団が共有しているものは何一つとてないのだ。よいか?
言葉も違えば、文化も違い、宗教儀式、軍の機構までも異なっている。
彼らが共有しているは、国王であるダリウスに対する忠誠心だけだのだ。
だから、明日の戦いでは国王だけを狙い、不測の事態を起こすことで兵士はクモの子を散らすように逃げだしてしまうだろう。だから何も恐れることはない。」
アレキサンダーは、なおも言葉を続けます。
「ダリウスは、この戦いを自ら指揮するつもりらしい。おそらく我々を打ち破って、昼までに片付くものと、タカをくくっているのであろう。だから諸君は、各自の部隊に戻って全兵士に伝えてくれ。この100万の敵を壊滅することは、考えなくてもよい。明日やることはただ1つ、敵の国王、ダリウスを打つことだけなのだ。」
この言葉は、その夜のうちに全兵士に伝えられました。
明日の戦いの敵は、国王ダリウスひとりだけだと。
こうして、最大の戦いの幕が切って落とされたのです!
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次号は、【特別編】として、決戦の金曜日とかけまして、勝利への戦いぶりを再現いたします。乞うご期待♪☆もちろん、お便りカフェも更新していますよ(^^)
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