最高の戦略家【続編】
2005年10月14日 [速聴プログラム]
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■1対20の決戦
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いよいよ、決戦の火蓋が切って落とされようとしています。この決戦について、ブライアンは「今まで軍略について研究した限りでは、アレキサンダーの戦略は、それ以前にも、それ以降にも使われたことがない」と語っています。では、さっそく、どのような戦いぶりだったのか、再現してみましょう!
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▼決戦の当日
ダリウスは「わずか5万の軍など、一気に踏み潰してくれるわ!」といわんばかりに、大平原に巨大な人垣を作り、攻撃の主力である戦車には、剣が突き出し、その戦車が敵陣を駆け抜けると、通った轍(わだち)の跡には、数々たる死体の山が築かれるという恐ろしいものでした。
一方、アレキサンダーの軍が集結した場所は、窪みの多い土地で必ずしも有利だといいがたく、そのため、戦いが始まる直前に部隊を横道へと移動させ、横列縦隊になるような陣形にしました。
(この作戦は「カブーム」といって、奇襲作戦として知られている戦術です)
これを見てダリウスは、異様とも見える動きに
「奴はいったい何を考えているのだ?」と部下に言い、しびれを切らしたダリウスは、「もうよいわ、我が軍隊も横道に入り、戦車隊も出動せい!」と命令しました。
なにしろ、100万人の軍勢です。
戦車隊は一斉に出撃し、横道のアレキサンダー軍に向かって進みましたが、突然の命令で、前線は大混乱になってしまいました!
これに対して、アレキサンダーは頃合をみて全員に、打ち合わせどおりの命令を出します。それは、道に沿って盾を並べ、その間から槍先を突き出すという戦術です。
さぁ、たいへん!
突進してきた、ダリウス戦車隊の馬の目に映ったものは、まさに
「盾がブロック化」とした「板の塀」。
さらにそこから槍が突き出ているではありませんか!
馬は正直です。
さすがに身の危険を感じた馬は、突然、逆送し始め、ますます戦場は大パニック!
後に続く戦車とも衝突し、混乱に巻き込まれなかった戦車は迂回して背後に回ろうとしましたが、アレキサンダー軍に攻撃され、壊滅的なダメージを受けました。
▼一本の槍のように
その様子を見てダリウスは、「こんな馬鹿なことがあるか。これはいったい、どうしたことだ!」と激怒します。
一方、アレキサンダーは、「今こそ絶好のチャンスだ!私に続け!ダリウスの首を上げようぞ!」と言い放ち、親衛隊ともいうべき、6000人を率いた騎兵隊の姿は、一本の槍のようになって攻撃に打ってでました。
それは、敵の手におちることはないという確信に満ちた前進でもあったのです。
無敵のペルシャ帝国軍と信じていた100万人の軍勢。
まさか、このような緊急事態になろうとは、夢想だにしていません。
■ダリウス:「こ、こ、これはどうしたことだ?」
■重臣:「陛下を目指して攻撃をかけております。」
■ダリウス:「早く攻撃を食い止めないか!」
■重臣:「はい陛下、懸命に防いではおりますが、まったく思いもよらなかった事態でございますので・・・」
■ダリウス:「言い訳はいい!今すぐ、この攻撃を食い止めよ!阻止できなければ、我が方へ攻め込んでくるではないか!」
■重臣:「はい陛下、その可能性は誠に大でございます・・・」
ダリウスが、こんなやりとりをしている間に、アレキサンダーの騎兵隊は防御線を突破して斬り込んできました。
■ダリウス:「もはやこれまでだ。私は宮殿に帰って昼食を取ることにしよう。お前たちはここに踏みとどまって戦い続けよ」
と言い残して、戦車に飛び乗ると、一目散に走り去ってしまいました。
残された重臣たちも、「陛下お一人で昼食というものなんだから、私どももお供しようではないか」と言って、彼らも逃げ出してしまいました。
▼残された兵士たち
なんということでしょう!これまで、無敵の王と信じていた国王や重臣たちは敵前逃亡という、最も卑怯な方法をとったばかりか、指示も出さずに、大勢の兵士たちは残されたのです。
その状況に兵士たちは自軍の旗色が悪いことは、イヤでも理解できました。
アレキサンダーは連戦連勝だというし、ダリウス国王は逃げてしまい、加えて、アレキサンダー軍は、捕まったら何をするかわからないと聞かされていたので、兵士たちは戦うどころではありません。
兵士たちは愕然とし、もはや、混乱というよりは狂気に変わってしまい、一層の混乱が起こります。友軍同士でぶつかり合ったり・・・暴れた馬が蹴飛ばしたり・・・・。
アレキサンダーは、それを横目でみながら、なおも前進を続けます。
それは、大草原を行く巨大な芝刈り機のように、敵軍の中を突き進んでいったのでした。
▼世界の盟主
この戦いは、歴史上、最も悲惨な戦争の1つに数えられています。
なぜなら最初の戦いで、ダリウス国王のペルシャ軍は、40万人の兵士を失い。
これに対して、アレキサンダー王のマケドニア軍は、1200人の兵士を失っただけでした。
こうして、アレキサンダーは、22歳の若さで、名実ともに世界の盟主の座に就いたのです。
▼ブライアン・トレーシーの戦略検証
さて、戦略入門編として、ご紹介したアレキサンダー大王の物語。
あなたの脳裏には、アレキサンダーの「戦略」というものが、どのように映ったでしょうか?
それでは、ブライアンがまとめた戦略設定のための【5つの要素】について、物語のおさらいしてみましょう。
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■第一の要素【目標】
目標とは、自分が達成したいことが何であるか、的確に掌握することを指します。アレキサンダーは、世界の盟主になりたかったのです。彼は、自分が盟主の座に就くには、ダリウスを倒すしかないことを心得ていました。これが目標です。
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■第二の要素【攻撃】
戦略とは、すべて攻撃することを意味します。
つまり、自分の方から撃って出るのです。受け身でいたのでは、大きな戦いに勝利を収めることはできません。
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■第三の要素【集中】
すべての重要な戦争では、ここぞというときに、戦略目標を達成するために自軍の総力を結集した指揮官が勝利を収めています。
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■第四の要素【作戦】
敵がどのような動きに出ようとも、それに備えた作戦を立てておかなければなりません。ダリウスのたった一つの作戦は、戦車が敵を蹴散らし、圧倒的多数の軍勢で、敵を凌駕(りょうが)することでした。
しかし、この攻撃が通用しないとわかったとき、他に打つべき作戦は何もありませんでした。
一方、アレキサンダーは万一、敵の戦車隊が見方の軍の中に突進してきても、横列縦隊の間を戦車が通りぬけるようにし、背後からそれを叩くことも考えていました。
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■第五の要素【経済性】
これは、最少の損害で、自分の戦略目標を達成するという、戦略原則です。
味方の損害は最小限度に留める。つまり、いったん市場での地位を獲得したら、その地位を利用して機敏に対処し、他社に抜きん出て、自社の顧客や市場をさらに増やし、自分のものにしてしまうということです。
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о(^0^)/”☆なりきりミッション!Vol.1☆
ではでは、以上の5つの軍事原則に基づいて、あなたも応用してみよう!
▼ ミッション1.目標 ▼
「自分で何を達成したいか、なぜそれを達成したいのか」を明確に把握せよ。
(目標)⇒
(理由)⇒
▼ ミッション2.攻撃 ▼
戦力に大きな開きがあっても、攻撃(行動)を開始し、戦闘をコントロールできる立場にするためにはどうずべきか?
▼ ミッション3.集中 ▼
目標達成のために、パワーを集中させなければならない最重要な仕事とは何か?
▼ ミッション4.作戦 ▼
常に作戦行動に柔軟性を持たせ、状況が許せば作戦を変更するために方法論とは?
▼ ミッション5.経済性 ▼
最小限の人員と、資力で目標達成するには、どんな戦略が必要か?
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次号は、「戦略設定を行う4つの理由」でさらに、有効な設定の仕方をマスターしていきましょう!
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